かにちゃんずの音楽遍歴

思ったことを書きながら、気に入ってる曲を末尾で紹介していったりします。

四国旅行で出会ったオヤジたち

瀬戸内海沿いへ旅行に行った。

 

学生の頃から四国や岡山にはこれまで幾度となく行ってきたが、それでもまだ行ったことのないスポットも多数存在する。

 

まず、四国のウユニ塩湖と呼ばれている父母ヶ浜に行ってみた。

まず、などと言っているがもうすでに夕方である。そもそもスタート時点で寝坊して昼前くらいに大阪をスタートし、一刻も早く四国に到達するためにカーナビとGoogleマップのW使いでひとり車を走らせていた。カーナビはもちろん設定するのだが、最短距離を示してくれるのはGoogleマップであると信じきっているのだ。カーナビは右折と言っているが、信号待ちの時にチラっと見たGoogleマップでは直進に見えたからここは直進だ!と思い爆走していると、カーナビの到着時間表示が大幅にアップ。Googleマップを確認すると先ほどの場所は余裕の右折。なんなんだよ!と携帯を投げつけたくなる気持ちが沸る。ちなみに悪いのは全て自分である。浮気心はやはりよくないのだと反省し、カーナビに一途な女へと生まれ変わり、アクセルを踏む。

どうにかこうにか高速に乗り、渋滞に巻き込まれながらも、標準時子午線〜!であるとか明石海峡大橋〜!鳴門の渦潮〜!とかを一人で繰り返し、なんとか徳島へ。

ここで同乗者を手に入れ、冒頭の父母ヶ浜へと到達したのである。

 

いちおう父母ヶ浜の説明をしておくと、香川県の一番西側、四国の上のMになっているところの右側の山のふもとあたりにある浜辺であり、水面に鏡のように写った映え写真が撮れるということで人気になったスポットだ。

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父母ヶ浜 | 三豊市観光交流局

 

平日にも関わらず多数の人がいて、とりあえず周りを見渡してみると、なにやら小道具と大きなフラッシュが砂浜に置き去りにされている。

こんなん絶対映えた写真撮ってくれるやんと思ってその持ち主が戻ってくるのを待ってみると、フラフラとオヤジが現れた。

すかさず話しかけてみると、ぶつぶつと文句を言いながらも写真を大量に撮ってくれた。

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映えている!!!

写真を撮り終わったあともダラダラと世間話をし続けていたが、周りには明らかにオヤジに写真を撮ってもらいたそうに遠巻きに見守る女たちが溢れかえっていることに気付き、ずっとオヤジを抱え込んでいるわけにもいかないので、水際まで行ってみたり自分たちで写真を撮ってみたりして遊んだりしていた。遠くの方で違う女性グループの写真を撮りまくるオヤジとその後ろに列をなしている女たちの姿が見える。

 

日もすっかり暮れ、浜辺遊びにも飽きてきたので帰ろうかとしたところ、薄暗がりの中でオヤジがまだひとり佇んでいる。

帰り際に軽く話しかけてみたら、小道具の花とどこから持ってきたんだかわからないミカンを4つくれた。なんだかわからないけどありがとう。ホテルに帰ってから食べた。

 

次の日は朝ご飯にうどんを食べ、瀬戸大橋を渡って岡山に出た。瀬戸内の景色ってすごく素敵で、仕事を辞めたらこういうところに住むのも悪くはないかもと思った。晴れが多いしね。

 

倉敷の美観地区へ行った。これも今まで行ったことがなかったが、綺麗に整った昔の建物がずらっと並んでいてとてもよい。

倉敷美観地区|観光スポット | 岡山観光WEB【公式】- 岡山県の観光・旅行情報ならココ!

 

小川みたいなところに人だかりがあるなと思ったら、めちゃくちゃデカい白鳥が2羽放し飼いにされていた。なんだこれと思ってじっと見ていると、ソラとユメと言うんですよと話しかけてくるオヤジが現れた。特に頼んだわけでもないが、その周りの建物についても説明しながら先導してくれる。私は無料のガイドだからいいですけどね、向こうにいる緑の服を着た人なんかは有料のガイドなので付いていっちゃダメですよ。などと言われ他の男に対する束縛をしてくる。やはり女は一途でないといけないということか。それでもあまりにも私たちがオヤジの話を遮って全然違う話をしだしたり、自由奔放にやりすぎて呆れたのかどこかへ行ってしまった。すまん無料のオヤジ。もっとまわりの建物を紹介してほしかったのに。

 

またフラフラとしていると、いかにも写真を撮ってくれそうな、カメラを持って一人佇んでいるオヤジがいたから写真を撮ってくれと話しかけてみた。

1、2枚ちょっと撮ってくれたらいいだけだったのだが、携帯を預けたら、いいねいいね!次はここに立って!と言いながらどんどんいろんなところで写真を撮ろうとしてくる。きみたちは本当に絵になる!あっちにもいいところがあるから!などと言いいろんなところへ連れ回され、本当にいい写真が撮れてんのか?と思うような場所でひたすらぱしゃぱしゃとやられた挙句、はい終わり!いっぱい写真撮ったし100円カンパしてくれ!と言われ、なんでだよ!と携帯を投げつけそうになった。

 

こいつが有料のオヤジだったのか、、、

 

ちなみに、撮ってもらった写真を見ると、何をそんなに褒め称えてくれていたのかというようなボヤっとした写真が並べられていた。

 

次に、せっかく岡山に来たのだから、後楽園でも行こうかと寄ってみるが、到着したのは閉園20分前。

後楽園というのは言わずもがなだが、日本三大名園になっている格式高いお庭である。

ホーム/後楽園

 

あと20分で閉まりますけどいいんですね?!と言いながらチケット売り場の方が見どころを足早に説明してくれ、いざ園内へ。

閉園後もうろうろされたらたまったもんじゃないと思われたのか、中に入るやいなや説明係のオヤジを当てがわれて、順路を足早に案内してくれる。庭が作られた経緯やそれぞれの場所の説明などをされながら談笑し、もうここまで来たら大丈夫だろうと思われたのか、オヤジは持ち場に帰っていった。

その後、オヤジがいなくなったことにより道がわからなくなり、閉園時間を過ぎてもうろうろしていたため係員に保護され出口まで連行される羽目になった。

後楽園自体はすごく綺麗なところで、庭園なんか興味ねーよと思っていたがすごくよかった。手入れされている庭ってのは素敵だな。

 

後楽園の隣にある岡山城では、何故か爆音で電子音を垂れ流す巨大スクリーンのようなものが据えつけられ、それを老人がベンチに座りながらボーっと見ているという光景が広がっていた。こんなものをじっと見ていたら頭がおかしくなってしまうよおばあちゃん、と思ったがもしかすると脳に素晴らしい影響を与えてくれる実験なのかもしれない。よく見ると近くに白衣を着たマッドサイエンティストのようなオヤジが立っており、いかにも私が生産者ですというようないで立ちでこちらを見ている。これなんなんですか、、と恐る恐る聞いてみると、僕も芸術のことは全く理解できないのですが、そこに説明が書いてあります。全然理解できないですよね〜ハハ!などと言いヘラヘラしていた。あなたの仕事は本当にそれでいいのかい?という思いでいっぱいになったが、本当に理解に苦しむ芸術作品であり、私は芸術家にはなれないんだろうなという謎の諦念が湧き上がってきた。

 

そんなことをしていたら、とっぷり日が暮れ、予定していたよりも大幅に遅れて大阪へと帰る羽目になったのだった。

 

この世はオヤジによって成り立っているんだなということがよくわかった旅だった。

 

 

オヤジたちはみんなプリズムエナジー全開でした。